ダイエットをゼロから医学的に学ぶ
実践 ダイエットのストラテジー
エクササイズコース講義室

            有酸素運動

 運動にはおおきく2種類あります。それは有酸素運動と無酸素運動です。それぞれどうような運動かといいますと、有酸素運動とは酸素を使って体脂肪を燃焼させる運動であるのに対して無酸素運動とは酸素は使わずに糖質を燃焼する運動です。からだはこの2つを上手に使い分けていて、瞬発力が主体の運動では無酸素運動を、持久力を主体とする運動では有酸素運動を行います。ダイエットで必要とされるのは前者の有酸素運動になります。

 ヒトが筋肉を動かそうとした場合、エネルギーが必要です。エネルギーの供給源は2つあって、筋肉に蓄えられているグリコーゲンという糖質を分解して得る方法と体脂肪を分解して得る方法です。筋肉に蓄えられているグリコーゲンは単糖がいくつも網状に結合したもので、結合を切り離すとエネルギーが放出されます。簡単にエネルギーを得ることができる反面、得られるエネルギーはそれほど多くありません。この過程では酸素がまったく消費されることはありませんから無酸素運動と呼ばれます。一方、体脂肪を分解してエネルギーを得る場合には脂肪を酸素を用いて完全燃焼させてエネルギーを得ます。完全燃焼させるわけですからめんどくさいですし、筋肉から遠くから運んでくることになるので二重にめんどくさい反応ですが無酸素運動とは比較にならないほど大量のエネルギーが放出されます。このような酸素を用いる運動を有酸素運動といいます。

 有酸素運動と無酸素運動の違いを理解できたことをふまえて、ダイエットの味方である有酸素運動のやり方を紹介します。やり方は簡単、ある程度の時間をかけてゆったりとした運動を持続すれば良いのです。具体的な例としてはウォーキングやランニング、ストレッチ、ヨガあたりが有酸素運動になります。これらに共通していることとしては、負荷をかけた激しい運動ではなく持久力が主体の運動であることです。実際、ダイエットにはアスリートが行うような肉体改造のような運動は必要なく、ジワジワと汗をかく忍耐力が必要なのです。ただしここで注意しなければならないことは、15分〜20分以上にわたって運動を持続しなければならないということです。どんなにウォーキングやランニングをしてもはじめの15分くらいはからだがズルをして筋肉のグリコーゲンからエネルギーを得る無酸素運動を行うからです。筋肉にグリコーゲンがなくなる15分後くらいから渋々、有酸素運動を始めますので15分〜20分以上運動することをかならず守ってください。

 ではダンベルや鉄アレイを買ってきて激しいウエイトリフティングなんかをやったらどうなるのでしょう?プロレスラーをイメージしてみてください。毎日、無酸素運動の負荷をかけることで筋肉は太くたくましくなってしまいます。おまけに体脂肪はエネルギー源になりませんから運動の割りに体重はあまり減りません。唯一の救いは筋肉量が増えたことによる基礎代謝量の増加でしょう。基礎代謝量の増加はありがたいことですがビジュアル的にはこれでは困ってしまうわけです。いやいやそこであきらめずに15分以上がんばれば筋肉のグリコーゲンがなくなり体脂肪の燃焼が始まるはず!と考えてしまいますが、無酸素運動を15分以上も続けることは不可能です。息があがり血圧・脈拍も急上昇し健康にも良くありません。ずーっと100%のダッシュで走り続けることを想像してみてください。ちょっとムリですよね。

 だったら有酸素運動だって運動しているわけだから筋肉がついてたくましくなるのでは?と思ってしまいますが、有酸素運動の模範とも言うべきマラソン選手の足を思い出してみてください。引き締まってスマートです。有酸素運動をすることで筋肉がモリモリになることはありません。確かに筋肉量は増加します。有酸素運動では筋肉は外側に膨張するのではなく内側に膨張するのです。筋肉の密度が増すと表現するのが理解しやすいでしょうか。ですから筋肉量が増えてもビジュアル的には変わらないかむしろ引き締まって細くなるでしょう。筋肉量が増えることで基礎代謝量も増加しますし、体脂肪も燃焼できるなんてやっぱり有酸素運動がいいですよね。

KEY WORDS
酸素の消費 放出される
エネルギー
運動の種類 筋肉
有酸素運動 あり 多い 持久力 引き締まる
無酸素運動 なし 少ない 瞬発力 太くなる

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